まず、加齢に伴って身体に起きる変化を正直に見てみましょう。
筋肉量は一般的に30代後半から緩やかに減少し始め、60代以降はその速度が上がるとされています。特に下肢(太もも・臀部・ふくらはぎ)の筋力低下は、歩行・立ち座り・バランス保持に影響を与えます。
関節周囲の組織(筋肉・腱・靭帯)は加齢とともに水分量が減り、硬くなりやすくなります。これにより関節の可動域が狭まり、特定の動作がしにくくなります。
同じ運動をしても、若いころより疲労が抜けにくくなります。組織の修復スピードが落ちるため、無理をすると痛みや炎症が長引きやすくなります。
これらは事実です。否定するつもりはありません。しかし——。
加齢によって筋力や柔軟性の「量」は変化します。20代と同じ体力を80代に求めることはできません。それは正直なところです。
しかし、「量が変わること」と「可能性がなくなること」は、まったく別の話です。
身体は何歳になっても、適切な刺激に応答します。筋肉はトレーニングすれば増えます(量は少なくなっても)。関節は丁寧にほぐせば動くようになります。使い方を変えれば、今まで痛かった動作が楽になることがあります。
問題は年齢ではなく、多くの場合「どう使ってきたか」「今、何が起きているのか」です。
てぃーぐすいには、80代でゴルフのエイジシュート(スコアが年齢以下になること)を達成した男性がいらっしゃいます。杖をつきながら来院され、身体の使い方を丁寧に整えた結果、コースに戻られました。「年だから無理」という言葉が、いかに不確かかを教えてくれる存在です。詳しくはこちらのコラムをご覧ください。
てぃーぐすいが日々の施術の中で感じることがあります。それは、同じ年齢でも「身体の状態」には大きな差がある、ということです。
70代でも動きのしなやかな方がいます。50代でも慢性的な痛みを抱えて動けない方がいます。この差は何から生まれるのでしょうか。
例えば、腰だけで荷物を持ち上げる、膝だけで歩く——こうした「局所に頼る動き」は、特定の部位に負荷を集中させ、年齢に関わらず痛みの原因になります。長年続くほど、蓄積された負荷も大きくなります。
「使わない」ことも、身体の状態を悪化させます。痛みを庇うために動かさなかった関節は、やがて本当に動かしにくくなります。柔軟性の低下は加齢だけでなく、「使わなかったこと」の蓄積でもあります。
身体を丁寧に使っている方は、関節への負担が分散されています。歩き方・立ち方・座り方のひとつひとつの積み重ねが、長期的な身体の状態を大きく変えます。
てぃーぐすいでは、施術だけでなく「日常の動き方」を一緒に考えることを大切にしています。痛みを和らげることと、痛みが繰り返されない身体の使い方を身につけること——この2つを組み合わせることが、年齢に関わらず長く自分の身体と向き合い続けるために必要だと考えています。
加齢による変化は、確かにあります。ただ、多くの場合「年だから」という言葉の裏には、きちんと評価されていない「身体の使い方の問題」が隠れています。
60代・70代・80代の方が、ご自身の身体の状態を正しく知り、適切なアプローチを受けることで変化していく場面を、てぃーぐすいは何度も見てきました。
「もう無理かもしれない」と思っている方こそ、まず話を聞かせてください。年齢よりも、あなたの身体に今何が起きているかを、一緒に確認することから始めましょう。